子どもなのに口臭?
ほとんどが、口腔内奥の3分の1の領域に問題を抱えています。非常に多くの関連因子が関与して複雑に連鎖しながら口臭を誘発します。口臭自体は、本来的に健康な人にも存在するために、問題視しない先生が多いのです。 もともと、胃腸が弱いと思われる小児であれば、口腔の消化器としての機能が低下していることが考えられます。咀嚼(そしゃく)習慣や食生活習慣を見直す必要があるかもしれません。
小児の舌磨きはやめましょう。
もし、あなたの子どもに舌磨きをさせているのであれば、小児の舌粘膜は非常に繊細ですので、直ちにやめるべきです。
あなたは、子どもの顔を舌磨き用のブラシを使って磨く勇気はありますか?
あるいは、目の粘膜をブラシでこする勇気がありますか?
多くの場合は、舌を磨くことは習慣になっていきますから、結局は口臭を解決できないばかりか、舌表面の舌乳頭を傷つけ、その結果、乾燥や過敏な状態は悪化していくでしょう。
さらには唾液の質の低下、唾液臭の発生につながっていくでしょう。小児の場合は、磨き方によっては味覚障害を引き起こすと思います。
長期の舌粘膜への物理的刺激は、口腔内の癌を誘発する可能性もあります。
最近は小児の口臭を気にして来院される方が増えましたが、大切なことは、子どもに過剰なプレッシャーを与えないことです。
成人の深刻な生理的口臭症は、小児時代の母親の口臭に指摘が引き金になっていることが多いからです。
小児の口臭治療では小児に与える精神的ストレスに対するフォローも大切になります。
乳幼児の口臭について
最近の育児では、3歳までに重要である舌や口輪筋の機能を鍛えることをしなくなってきました。
鼻呼吸に重要な役割を果たす口輪筋の完成は3歳頃とされています。諸外国では3歳くらいまではおしゃぶりを与えていますが、日本ではほとんど見かけなくなりました。
そのために、口輪筋の発達が未熟で口呼吸を早くから覚えてしまっていることが多いのですが、口呼吸は幼児期の口臭の最大の原因になります。口腔内の乾燥が起こり自浄性が低下することと耳鼻科系の器官の発達も未熟になり、将来慢性的な耳鼻科的アレルギーや、喘息やアトピーを誘発すると考えられています。
一度このようなアレルギー素因を獲得してしまうと、容易には直らないので、幼児期の口呼吸習慣の是正はとても重要です。
同時に、舌の機能の低下傾向も考えられます。
昔は、子どもは母親のおっぱいを吸ったり、おしゃぶりを与えられたり、歯噛みをさせる遊びが自然の中で行われてきたのですが、涎(よだれ)をたらしながらこのような遊びをさせることを不潔と考えるのか、しなくなったことが原因と考えられます。これに伴い、早くから舌の機能低下や、口輪筋の機能低下が起こっているようにも思います。
虫歯や耳鼻科的にも問題がないのに口臭
1歳半頃頃からということですが、その時期に、離乳を行っていないでしょうか?
また、おしゃぶりもしなかったのではないでしょうか?
おそらく口輪筋の発達が未熟なままに、早期に離乳を行い、その瞬間から口呼吸をし始めて習慣化している可能性があります。
しゃべらなくても息が臭いことは無いでしょうか?しゃべらなくても息が臭い場合は、口呼吸の可能性が高いです。
口呼吸を覚えると、口腔内は乾燥しやすくなり、喉も鼻も弱くなります。さらには、頭脳の発達にも影響を与えたり、喘息やアトピーとの関連も示唆されています。
当然、口臭は常に起こるケースがあり、とりわけ鼻が詰まると、完全な口呼吸になり、口腔内に鼻汁も逆流するために悪臭がします。対策としては、耳鼻科的・小児科的・呼吸器的な問題がないことを確認したうえで、確実な口腔衛生管理と、起床直後と就寝前の歯みがき習慣をつけること。その上で、耳鼻科、もしくは、小児科を受診して口呼吸習慣の是正を行ってください。一部の小児歯科でも対応してもらえるかもしれませんが、歯科ではほとんど対応できないかもしれませんので事前に聞いて見るといいでしょう。
ほんだ式口臭治療では、小児の口呼吸の是正は、治療として高度に行っています。
子供の口臭と歯磨き粉
本来子供には、唾液や自然な口腔内自浄作用があるのですから、意味のある歯磨き方法や、口腔衛生管理をすれば、すぐに、解決します。 子供の口臭を指摘してしまったときは、必ず責任を持つことです。親の一言が、その後のその子の精神的世界に影響を与えてしまうことがあります。子供は純粋なのでおりこうな子供ほど、口臭を密かに気にしています。口臭がなくなったことを知らせてあげれば、その子の心理的負担は無くなり、自信をもってコミュニケーションすることができるようになります。20年30年と悩む、生理的口臭症を抱え込んでしまった成人の場合、最初のきっかけは母親による無責任な口臭の指摘である事が非常に多いのです。